コレステロールは高くてもかまわない??

コレステロール値は高くてOK?

 

時折週刊誌などで「コレステロール値は高くても大丈夫」「むしろ低いほうが有害」「コレステロールの摂取量の制限が撤廃された」といった内容をご覧になった方もいらっしゃると思います。果たして本当にそうなのでしょうか?

実際このような報道や情報に戸惑い、混乱していらっしゃる方も多いと思います。私の病院でも少なくない方にこのような情報の真偽を聞かれました。結論から申し上げますと「個々の状況によって多少異なりますが、しかしながら糖尿病のような動脈硬化を起こしやすい病気をお持ちの方に関してはコレステロールの管理は必ず行わなければならない」です。

 

コレステロールって何?善玉、悪玉って?

コレステロールは脂質、つまり「あぶら」の一種です。コレステロールは全身の細胞の膜、男性ホルモンや女性ホルモンなどのステロイドホルモン、脂肪の吸収・分解を助ける胆汁酸、などの材料として大切な役割を果たす体にとって必ず必要なものです。

コレステロール 高脂血症 善玉コレステロール

コレステロールは食べ物として3割ほど摂取され、残りは肝臓で作られ血液を介して全身に運ばれます。このとき運ぶ役目をするのがLDLです。そしてLDLが運んでいるコレステロールを「LDLコレステロール」と呼びます。そして体で余ったコレステロールを肝臓に戻す作業をするのがHDLです。これを「HDLコレステロール」と呼びます。

本来、我々人類も含め動物は食料は時として乏しく、そのためコレステロールを大切に使う仕組みを持っていました。しかし人類は食料生産が安定しコレステロールを始めとし様々な栄養素の摂取が容易になりました。

さらには産業が発展し、エネルギーをあまり消費せずとも活動ができるようになり徐々にコレステロールが必要量を上回り過剰になってしまいました。余った分のコレステロールは(LDLコレステロール)は血管の壁に付着し、「動脈硬化」をもたらします。

その結果心臓、脳、腎臓など全身の臓器に血流障害を引き起こし、あぶらの固まりも作ります。その固まり(プラーク)が破裂し血栓(血液の固まり)が色々なところに飛んでいくことにより心筋梗塞、脳梗塞、狭心症などを引き起こしてしまうのです。

増えすぎてしまったLDLコレステロールが悪さをするため、これらが「悪玉コレステロール」という名称で呼ばれています。

悪玉コレステロール 善玉コレステロール 高脂血症

 

糖尿病患者さんの場合、じつはこの悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が血管壁に付着しやすく動脈硬化を進行させやすいことがわかっています。

そのため糖尿病患者さんの場合はLDLコレステロールの目標値が20mg/dL低く設定され120mg/dL以下が目標となっています。そしてさきほど述べた心筋梗塞や狭心症(冠動脈疾患)の方はもっと目標値が低く100mg/dL以下となっています。

 

どうすればコレステロール値が下がるの?

 

ではコレステロール値を下げるには食事療法が必要になるのですが、食事からのコレステロール摂取を減らせばコレステロール値が下がるのかというとこれは確実に下がります。コレステロールは肉の脂身や、バター、生クリームに含まれる「飽和脂肪酸」に多く含まれます。逆に魚などに多く含まれる「多価不飽和脂肪酸」にはコレステロール値を下げる作用があります。

ある研究で食事のコレステロール摂取が800mgから400mgに減らしてもコレステロール値はあまり変わりませんが、コレステロール摂取が400mg以下になるとコレステロール値が減少するというものがあります(Current Atherosclerosis Report 2002,4:425-432)。

食事療法をおこなってもなかなか結果が出ない方は、もう一歩コレステロールの摂取を減らすことによって結果が出るようになる可能性もあります。

 

最後にコレステロールの摂取を制限することによって本当に健康を維持することにつながるのかということです。

健康な人を対象とした疫学研究ではコレステロールを多く含む食材である卵を食べる量が多い人もそうでない人も心筋梗塞や狭心症などの病気になる確率は変わりがないことがわかっています(BMJ 346:e8539,2013   Br J Nutr 96:921,2006)。

しかし糖尿病の方ではコレステロールの摂取量が増えるほど動脈硬化の進行や死亡の危険性が増えることが研究で示されています(Am J Clin 87:964,2008  Nutr Metab Cardiovasc Dis 21:430,2011)。

やはり糖尿病の方に関してはコレステロールの摂取を控え、LDLコレステロール値を定期的にチェックしていく必要があるんですね。卵に関しては私は患者さんに週に2~3個ぐらいが適量と説明しています。

コレステロール値が高い食材であっても上手に付き合っていくことが、前向きにそしてハッピーに過ごすコツです!

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